マリンドウから勅使が訪れたのはある昼下がりだった。
突然の来訪者は、マリンドウ王の親書を携えていた。
あのグリンドラ妃とその王子がマリンドウに帰国して以来のことだった。
宰相であるシュテルツの元に一報がもたらされる。しかし彼は病床にあった。
「・・アーロンは、いないのか」
うっすら目を開けて聞いた。
「ここ数日ずっと王宮に詰めていらっしゃいましたので、今は自邸にお帰りになっています」
「そうか。それでは寝たままで申し訳ないが、勅使殿にここに来ていただけるだろうか」
勅使団が病室に入って来る。
シュテルツはクッションを当て半身を起こしていた。
かたわらにはオルグと宰相補佐が控えている。
型通りの挨拶を交わしたあとで勅使は、
「これはまだ、諸外国には明らかになっていないのですが・・」
声を低めて告げた。
「実は、バッハス国内でクーデターが起きました。今までの王が追放されて新王が立ったのです」
突然の来訪者は、マリンドウ王の親書を携えていた。
あのグリンドラ妃とその王子がマリンドウに帰国して以来のことだった。
宰相であるシュテルツの元に一報がもたらされる。しかし彼は病床にあった。
「・・アーロンは、いないのか」
うっすら目を開けて聞いた。
「ここ数日ずっと王宮に詰めていらっしゃいましたので、今は自邸にお帰りになっています」
「そうか。それでは寝たままで申し訳ないが、勅使殿にここに来ていただけるだろうか」
勅使団が病室に入って来る。
シュテルツはクッションを当て半身を起こしていた。
かたわらにはオルグと宰相補佐が控えている。
型通りの挨拶を交わしたあとで勅使は、
「これはまだ、諸外国には明らかになっていないのですが・・」
声を低めて告げた。
「実は、バッハス国内でクーデターが起きました。今までの王が追放されて新王が立ったのです」