逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ

 脚が焼けるように痛かった。
 動けずにいると仲間が探しに来てくれた。

『どうするんだよ、これじゃ馬にも乗れないだろう』

 ラクレス隊で応急手当をしてもらった、だが身動きが取れなくなった。

『調査は俺達でやるからお前はここで厄介になるか』
『いや、それは』
 面目なかった、ただでさえ忙しい国境警備隊に看護までなどと。

『ちょうどラクレス領から定期便の馬車が来ている』
 治療をしてくれたラクレス兵が、
『それに乗せてもらって向こうで養生したらどうだ』

 デイズに否やはなかった。

「だが、それならなんだってこんな洞窟で寝ているんだ」
 ヴェンは至極当然のことを聞いた。


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