逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ

 山は高くなるにつれて岩石が多くなった。
 
 そんな山中に何があるというのか。

 ソフィーが岩肌を縫うように登っている。

 と、急に立ち止まった。
 用心深く周囲を見渡す、そしてふっと消えた。

 ヴェンが用心して近づく。

 岩には幾つもの亀裂がある。だが人が入れるほどの隙間はない。
 手探りで探っていく。
 さっきソフィーは岩に溶け込むように消えたのだ。

 入口があるはずだ、しかし見つからない。