周囲は二人に釘付けになっている。

 数秒の間があってから、
「うわーっ!」
 歓声が鳴り響いた。

 アーロンは笑いを浮かべると、
「さあ帰るぞ、急ぎ王宮に帰還する」
 側近に号令した。
 
 馬が走り出した。
 駿馬は彼らを背に見る見る遠ざかって行く。

 その影が小さくなる。
 そしてあっという間に消えていった。