逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ

 湖の側でワイトが目を凝らしている。
 王宮から白煙が登るのが見えた。

「よっしゃ、やってやるぜ!」
 叫ぶと白い物体に乗った。

 ふわりと浮かんで上昇する。
 物体には巨大なロープが結ばれていた、高度が上ってピンと張る。

 ロープの先にあるのは湖の桟だ。
 桟がグラグラ動く。

 最初の桟が落ちた、ロープに連結された次の桟も抜けていく。

 大量の水が落ち始めた。
 胡内に大きな渦が出来た。それが他の桟をも崩壊させた。
 
 途方もない水が流れ出す。

 巨大な龍のようなそれが王都に向かって進み始めた。