逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ

 バッハスは橋を渡っていた。

 先頭は騎馬隊だ。
 彼らは大声を上げて歩兵を鼓舞する。

 そんな大軍が通りをうめていた。
 
 アーロンは敵を見据えている。そして何度かうなずいていた。
 何かを数えているようでもあり敵との距離を測っているようでもあった。

 数分後に目を見開いた。
 物見の塔を仰ぐと、

「今だ! やれっ」

 その声に兵が作業を始めた。