一国の主がいなくなって、王宮が揺らいでいた。
今までのグリンドラ派に対して、敵対する派閥が現れたのだ。
以前から水面下で暗躍していた一派だった。
それが王の急逝で台頭してきたのだ。
まさか、と誰もが思った。新興勢力が大勢を掌握することはないだろうと。
しかしじわじわ防波堤が削ぎ落されるように何かが崩れていく。
そんな気配が王宮を包んでいた。
昨日までの仲間は信じられるのか。
どの勢力がどう動くのか、自分は果たしてどの派閥につけばいいのか。
まさに、疑心暗鬼の世界だった。
宰相のシュテルツは臍を噛む思いだった。
今はこんな権力争いをしているときか。
バッハスの脅威が間近に迫っているのだ、一丸となって立ち向かうべきなのだ。
彼は声を枯らして叱咤した。
しかし権力に目がくらんだ者には届かなかった。
そして、重大な局面はそのあとすぐにやって来た。
今までのグリンドラ派に対して、敵対する派閥が現れたのだ。
以前から水面下で暗躍していた一派だった。
それが王の急逝で台頭してきたのだ。
まさか、と誰もが思った。新興勢力が大勢を掌握することはないだろうと。
しかしじわじわ防波堤が削ぎ落されるように何かが崩れていく。
そんな気配が王宮を包んでいた。
昨日までの仲間は信じられるのか。
どの勢力がどう動くのか、自分は果たしてどの派閥につけばいいのか。
まさに、疑心暗鬼の世界だった。
宰相のシュテルツは臍を噛む思いだった。
今はこんな権力争いをしているときか。
バッハスの脅威が間近に迫っているのだ、一丸となって立ち向かうべきなのだ。
彼は声を枯らして叱咤した。
しかし権力に目がくらんだ者には届かなかった。
そして、重大な局面はそのあとすぐにやって来た。