逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ

 ソフィーは声もなく彼らを見ていた。

 そんな彼女に歩み寄る者がいた。
 洞窟にいた八人の男だった。
「ああ、あなたたち、ありがとう」

 涙を浮かべるソフィーに、
「我らは皆さんと共にあります」
「そうです、助けていただいたご恩は忘れません」
 穏やかに微笑んだ、そしてうやうやしく頭を下げた。

「ありがとう、本当に」
 やっとそれだけ言えた。
 喉がつまり、切れ切れの声になっていた。