逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ

 状況が掴めぬバッハス陣に、
「我々は無理やり組み入れられたのだ、国境に住んでいただけでバッハス兵にされたのだ」
「その上ここで傷を治してもらったのだ、その恩を忘れる人間ではないわ」

「い、言わせておけばこの野郎!」

 バッハス兵が切りかかった。
 八人が応戦する。
 それにアーロンと隊が加わった、斥候隊も加勢する。

 戦いはなお激しさを増した。

 なかでも洞窟の八人はすさまじかった。
 命も惜しまず鬼人のように立ち向かう。

 理不尽な併合の恨みがある。
 さらに敵前逃亡の汚名を着せられ傷を負わされたのだ。
 
 その怨恨が火を噴いていた。