逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ

 両陣がぶつかった。
 剣が交わり怒号がとぶ。
 相手の剣を押して反撃する、その横合いから別の剣が出る。

 そのさなかソフィーに寄る影がいた。
 ア―ロンだった。

 側近と斥候隊も追随している。
 側近の部下が戦っているうちに岩陰を抜けて回り込んだのだ。

 アーロンはソフィーをかばって前に出た。

 バッハス兵が出し抜かれたのを知った。
 今度は闇雲に切り掛かれない、前後を挟まれた布陣になったからだ。

 数的にもバッハスが不利だ。
 自軍の三十人に比べアーロンの陣はその倍に近い。
 
 だが辺りには進軍中の別のバッハス隊がいた。
 騒ぎを聞きつけて次々とやって来る。

 それを見て一人の兵が嗤った。
「今度はこっちが有利になったな」

 さらに時間が経つほどバッハスが増えていくのは確実だ。

 いつの間にか敵に周囲を囲まれていた。