アーロンが代わりに、
「それは、温存されたのだろうと思うよ、ガイのことを」

「私もそうだと思います。このラクレス領のために、そして何よりお嬢さまのために公はお考えになったのだと」
 セルビィも言い添えた。

 部屋に沈黙が流れた。
「・・し、しかし」
 それを破ったのはガイだった。

「自分はラクレス様の側にいたかった。公の盾になったっていい、少しでもお役に立ちたかったんだ。それがこんなことになってしまって・・」

 握った拳が震えている。

 セルビィがそんなガイを見た。肩にそっと手を置いた。