逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ

 次の瞬間、
「お前はなに者だ!」
 敵兵が追いついた。

 手が伸びて肩を掴まれたとき、
「ソフィー様!」
 藪からヴェンが躍り出た。ソフィーを追ってきたのだ。

 彼女をかばって前に出る、しかし、
「やれ! 相手は一人だ」

 ヴェンも剣を抜く。だがじりじり詰められた。
 くそっ!

 舌打ちをしたときヴェンの目が動いた。
 敵の背後に黒い影が見えたからだ。
 
 幾つもの影が忍び寄っている。
 バッハス兵は気づかない。