「しかし、なんだかなぁ瞬間落ちるものだな」
「しゅんかん、おちる?」

「うん。きのう彼女は湖の堰の説明をしただろう。構造のすべてが頭に入っているように答えたんだ。あの姿、何ともかっこよかったな」
「なんだと? お前、また興奮してそこらを飛ぶってんじゃないだろうな」

「いや落ちたんだよ、落ちた。飛ぶんじゃないんだ」
「・・え?」

「フォーリンラヴ、というやつだ。あの瞬間に真っ逆さまだ」
「真っ逆さまだと? バカもほどほどにしろ。ったく」

 どこまで本気なのか、話の本人を置き去りにして突っつき合っていた。
 言い争いながら湖のほうへ歩いて行く。

 それを唖然として見ていた。