「む、むすこ? アーロンさまの?」
 ソフィーが目を見張った。
「むすこが、いらっしゃったんですね、あの方に」

 青年が近づいた。
 息をのむほど端正な顔立ちだった。
 それがまっすぐソフィーを見ている。

 え・・? と思った。
 沈黙が長く続いた。
 
 彼の目の虹彩がゆらゆらと揺れている。

 何かを訴えかけられているようで、
「・・あ、あの・・あなたは、いったい?」
 
 彼は答えない。
 代わりに流れるように表情が動いていく。
 とけるような笑みをソフィーに向けていた。
 
 見つめられて身動きができない。
 なにかに鷲掴みにされたように硬直した。