逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ

 他の侍女に支えられてラナが近づいてくる。
 
 火が付いたように泣く赤子を抱き取った。
 胸元をくつろげて乳房を含ませようとした。

 赤子はどこにそんな力があるのか、精一杯吸い付こうとする。乳首にたどり着いてむさぼるように呑み始めた。

 チュパチュパと音がする。その口から飲み切れない母乳があふれ出す。
 
 デイズが瞠目して見つめている。
 顔にわずかに赤みがさしてきた。

「どうなの? この子をどう思っているの」
 ソフィーが聞いた。

 デイズは目をつぶった、そして小さくうなずいた。

「そうよね」
 安心したように息をつく。