逆境に咲いた花は、可憐に匂いたつ

「それでソフィーに湖の構造を教えてもらいたいのだが。この湖は灌漑用に水を調節しているそうだね。それはラクレス領の管轄だと聞いたのだが」

「はい、そうです」
 うなずきながらも問いかける目になった。

 アーロンは見逃さず、
「何かあるのか」

「その、この湖が関係あるのでしょうか、バッハスの侵攻に」

「大いに関係がある。バッハス軍は一万を超えるはずだ、まともに戦えば甚大な被害がでる。それを阻止するため湖が重要なのだ」