アーロン邸が静まり返っていた。
 二階のアーロンの自室では人払いをしている。

 ワイトがアーロンと向かい合って立っている。
 それをシュテルツが見つめていた。

 ワイトがゆっくりアーロンの手を取った。互いの両手が合わさり、ぐっと力を込めてこようとする。

「な、何をするんだ」
 アーロンがあわてた。

 シュテルツはからかうように、
「おい、お前たち、男同士でダンスでもするつもりか」

 返事をしないワイト、その真剣な様子に二人が黙った。