ラナは汚れた食器を抱えて湖へ行った。
 体を屈めて洗おうとする。

 ・・と、
「私が代わるわ」
 ソフィーだった。

「もし屈んで水に落ちたりしたら大変でしょう」
「そ、そんな。お嬢様にこんなことはさせられません」

「いいのよ、ここは滑りやすいしまだ水は冷たいわよ」
 彼女は食器を受け取り、それをラナがじっと見る。

 他の侍女は忙しそうに立ち働いている、それなのになぜ自分だけと思った。

 その目の前でソフィーは食器を洗い始めた。