それに驚いた私と長谷川くんは、2人して肩を跳ねさせた。
「びっくりした…ど、どしたの穂乃果ちゃん」
「…すっかり忘れてたけど、大丈夫かな…?いや、大丈夫じゃない…よね…でも…」
声をかけても、私に言ってるわけではなく…。
1人でブツブツ、うーんと唸る穂乃果ちゃん。
一体何をそんなに悩んでいるんだろう?
私は全くもって分からなかったけど、どうやら長谷川くんは分かったようで。
「…はぁ。日下部、お前が悩んでることなら気にすんな。俺は大丈夫だから」
「………でも、」
「大丈夫って言ってんだろ?そんぐらい平気だって」
「……わかった」
何やら、2人の中で意思疎通がとれたみたい。
あんなに悩んでた穂乃果ちゃんも、長谷川くんの言葉で意思が固まったらしい。
私は何も分かってないけど大丈夫そう?
「……海琴ちゃん、もし良かったらなんだけど───」
*
「…1泊2日の温泉旅行?」
…私と同じ反応してる。
今はもう放課後になり、なるちゃんと並んで下校しているところ。
今朝、穂乃果ちゃんからとある提案をされた。



