「…その、いろいろあって………」
「告白されたとか?」
「えっ!?」
一瞬、長谷川くんはエスパーなのかなって本気で思った。
だって、そう思っちゃうくらいに当てられちゃったから。
「…マジか」
そう言った長谷川くんが、何故か一番驚いているように見えるのは私の気のせい?
声のトーンが下がったような気が…。
って、そういえばこの事がもしバレたら相当まずいんじゃ…?
なるちゃんファンの女子生徒たちのヘイトが私に向くのは目に見えている。
また中学のときみたいになったら…。
そう思うだけで背筋が凍る。
これはあまり他言するべきではない。
そう判断した私は、顔の前で手を合わせて長谷川くんにお願いをした。
「長谷川くん…その、このことはできるだけご内密に…」
「…………」
でも、長谷川くんはさっきからずーっと上の空。
「……長谷川くん?」
「あ……あぁ、いいよそれくらい。言う必要もないし」
「うん、ありがとう…!」
ちょっと変な長谷川くんが少し気になったけど、これで心配事は減ったからとりあえず安心。
そのまま私たちは教室へと向かった。



