クールな君の甘さを知れば


「…今の、なに?」



長谷川くんの、神妙な面持ち。



「へ…?…あっ!は、長谷川くんごめん…」



何を見せられてたんだ…?って顔してる。



多分ね、長谷川くんの私に対する何かが変わってしまった気がするよ。



「いや…別に、いいけどさ。あの人誰?」



「あの人…なるちゃんのこと?」



「なるちゃん?」



そっか、長谷川くんはなるちゃんのこと知らないんだっけ。



穂乃果ちゃんはなるちゃんのことを見たことがあるけど、長谷川くんは初対面だったらしい。



初対面と言っても、言葉を交わしたわけじゃないけど。



「なるちゃんは、私の二個上の幼なじみだよ」



「……幼なじみ?」



あれ、簡潔に説明したつもりなんだけどな。



「長谷川くん、幼なじみ知らない?」



「さすがにそれはわかるわ…!」



えぇ?そんなツッコまれても…。



じゃあ、なんでそんな疑問ばっかりなの?



って聞こうとしたら、長谷川くんは続けて言った。



「…ただ、幼なじみって会話っつーか…距離感じゃなくね?」



「………」



長谷川くんに指摘されたことはごもっとも。



返す言葉が見つからない。