「俺が…なに?」
ニヤッと笑うなるちゃんの、この顔。
私が言い淀んだ原因をわかりきった上で、聞いてきている。
絶対ぜったい、確信犯だ。
でも、ここまで言っちゃったら、きっとなるちゃんは逃がしてくれない。
だけど…今朝のアレをそのまま口に出すのはかなーり抵抗がある。
どうやって言い換えるのが正解…?
ぐるぐるぐるぐる、テストよりも頭を使う。
「なる、ちゃんが……」
「うん。俺が?」
「…イジワル、してきたせいじゃん」
なるちゃんを見上げ口を尖らせ、恥ずかしいのを我慢しながら「怒ってます!」アピール。
これなら折れてくれる…かな?
しばらくなるちゃんを見つめていたら、突然なるちゃんがよろめいた。
「え、なるちゃん…?だ、大丈夫…?」
さすがに心配になって、顔を手で覆うなるちゃんのそばに寄る。
もう一度なるちゃんの顔を覗き込むように顔を見上げた。
「っ…今こっち見んな。まじで無理」
そう言うなるちゃんの手の隙間から覗いた頬は、ほんのり赤く染っていて。
本当にどうしたんだろう…?
恥ずかしがってる時の私みたい…。



