穂乃果ちゃんはアニメや漫画が大好きで、好きなキャラクターがいっぱいいると教えてくれた。
その中でも特に好きなのがレン様で、穂乃果ちゃんの推しなんだとか。
「あんまり人に話したことはなかったんだけど…海琴ちゃんなら笑わないでくれると思って話しちゃった。聞いてくれてありがとうね」
「笑うはずないよ。さっきはちょっと驚いちゃったけど…。好きなんでしょ?レン様のこと」
そう聞くと、穂乃果ちゃんは今日一番の笑顔を見せて大きく頷いた。
「もちろん…!“好き”って言葉だけじゃ言い表せないくらい…!」
本当に心から好きなんだということが伝わってきて、なんだか心があったかくなる。
…私もいつか、穂乃果ちゃんのように誰かを好きになる日が来るのかな。
そしたら、私もこんな表情したりする…のかな。
……わかんない。
今は全く想像できない、けど……。
「…あ」
「海琴ちゃん、どうしたの?」
「なるちゃんからメール…って、穂乃果ちゃんの顔、またうるさくなってる」
「ふふっ、海琴ちゃんの春もすぐそこかな?」
「だから違うんだって…」
ニマニマしてる穂乃果ちゃんの横で、そんな日が来たら良いなってちょっぴり思った。



