6月の晴天に、姉は結婚式を挙げた。

結婚式は親族のみで、ひっそりと行われた。


わたしたち家族と、姉の旦那さんになる槇原さん一家。

それに松葉さんも呼ばれるだけの小さな式。

でも、それが姉らしくて素敵な結婚式だった。


結婚式のあと、槇原さんのおじいさんが営んでいるという、小料理店を貸し切って、両家の顔合わせもかねて食事会があった。


「俺まで出席して本当によかったの?」


両家だけで行われる式と食事会に、松葉さんは参加することを少し遠慮しているようだった。


「いいんですよ。お姉ちゃんだって槇原さんだってぜひって言ってくれたんですから」

「そうだよ、絢斗くん。なんだって君は将来柚葉と結婚するんだから」

「おじいちゃん、まだ結婚しないから」


わたしたちの会話をこっそり聞いていた祖父に、即座に言い返した。