姉の婚約者はワルイ男




それからわたしたちは、車中で話をしたように、松葉さんが買ってきてくれたこの辺りではおいしいと有名なお弁当屋さんのお弁当を2人で食べた。

しかも、これもわたしを喜ばせるためか、わたしの大好きなカキフライが入っているお弁当だった。


「じゃあ、柚葉ちゃんお待ちかねのドラマの最終回だね」


松葉さんが聞きたいことがあると言っていたから、てっきり夕飯のときに聞かれるものだとばかり思っていたのに、結局カキフライを楽しんだだけだった。

しかもそのまま楽しみにしていたドラマ鑑賞に移ってしまう。

松葉さんはてっきり聞きたいことが頭から抜けてしまったのかとも思ったけれど、ドラマのことが気になってわたしもわざわざ松葉さんにつっこむことはしなかった。


ドラマの最終回は85分に拡大された内容になっていた。

わたしも松葉さんも結局予想していた犯人とは違う人物が犯人で、ドラマが終わってもしばらくドラマの話で盛り上がった。