【完】超一途な彼はお友達じゃ我慢できない。






「神回避だよ、水湊くんそれ!!」


「だねえ……大丈夫? とりあえず売店行ってタオル買う?」


「うん…」





ショック。
あのイルカさん、あたしのこと嫌いだったかな?



それとも、水湊くんがイケメンすぎて贔屓したのかな?
あの子女の子って言ってたっけ……。




周りにも当然濡れた人はたくさんいるから、幸い浮いてはないけど…。



やっぱりどことなく恥ずかしい。
さっきからチラチラ見られてる気もするし……。





「あー……凛久ちゃん、ストップ」



「へ?」



「とりあえず、これ着といて」






そういって、水湊くんは自分の来ていたニットベストを脱いであたしに差し出してきた。
着といてって…。





「でも、ニットなのに濡れちゃっていいの? それに水湊くんが寒くない?」





ニットベストを脱いだ水湊くんは、ただのカッターシャツ一枚。
水族館の中涼しいし、絶対寒いと思うんだけど…。