「それでは最後に、お別れの挨拶です!!」
飼育員さんの声に従って、イルカさんは高く飛び上がって……。
ーーバシャンッ
高い高い、水しぶきをあげた。
「ひゃあっ」
濡れるか濡れないかあいまいな席。
もちろん、高い水しぶきには逆らえませんでした。
ワンピースは水でべったり肌にくっついて、髪からも水がしたたり落ちてる。
まあ…水も滴るいい女、って言うよね?
言わない? あたしはいい女じゃないってか、ハイハイ。
ひとりでノリツッコミをしながら隣を見ると。
…ある意味、驚くべき光景がそこにはありました。
「……えっ!?」
「あは…」
申し訳なさそうに笑う水湊くん。
な、な、なんで水湊くんは無事なの!?
ちょっと濡れてこそいるものの、あたしのびしょ濡れはなに…!?
隣に座ってるのにこんなに差出るもの…?



