【完】超一途な彼はお友達じゃ我慢できない。







「それではみなさまお待ちかね、イルカショーの開幕でーす!」





わーって拍手の嵐。
あたしもすっごくワクワクしてるよ。




ギリギリ濡れるか濡れないかみたいな位置に座ってみた。
スリル満点だよね。





「凛久ちゃん、その服新品なのに濡れてもいいの?」


「いいよ。…これも良い思い出になるし!」





笑いかけると、心配そうな顔をしていた水湊くんも「そうだね」と微笑んでくれた。
ああ……その笑顔、好きだなあ。





あたしは視線を前に戻して、イルカの挨拶を見守る。





水から体を半分出して、手を振るイルカさん。
かわいー……。



あんな簡潔な動きだけで人を癒せるってすごくない?
でもあれを習得するのも難しいんだろうな…。




それから、イルカさんはいろんなパフォーマンスを見せてくれた。
水面から飛び上がったり、輪をくぐったり、宙に浮いたボールを鼻先でつついたり…。




ぜんぶもれなくかわいくて、写真を撮る手が止まらなかったよ。
やっぱり来てよかった。