【完】超一途な彼はお友達じゃ我慢できない。








結果。
初バイトは無事に終了。



特にミスなく、お客さんたちからも『新しく入った子?』なんて話しかけてもらえた。




この居酒屋は個人経営で小さめだし、常連さんや新規さんがはっきり分かれていて、幸い今日は常連さんばっかりだったから優しくしてもらえて救われた。




更衣室で着替え終わって外に出ると、事務所のイスに水湊くんが座ってスマホをいじっていた。





「…わ、制服かわいいね」





第一声がそれ。
そっか……学校帰りにそのまま寄ったから。



水湊くんと初対面したときにはもうお店の制服着てたもんね。






「この制服かわいいよね」





制服で選んだところある。
そういうと、水湊くんはすこし視線をそらしたあとまたあたしに戻して。





「いや…、というか、その制服着てる凛久ちゃんが?」


「…っ」





そんなことないよって。
何言ってるのって。




言いたいことあったのに、言葉が詰まって出てこなかった。
そんな風に褒められたのはじめてだから…。