お昼休みが終わった後の五時間目に古典をやるなんて、先生もおかしいと思う。
寝るに決まってるし。
プール後の授業くらい大罪だよね。
しっかり一時間熟睡したあたしは、また夏向の手によって起こされることになる。
「おい」
「んっ……んー…」
ぱち、ぱち。
ゆっくりまぶたを持ち上げて、隣の席で頬杖ついている夏向と目が合う。
「ねぼすけ」
ふっ、と口角を持ち上げた夏向に。
ーードキ。
瞬間的に顔が熱を帯びて、慌てて逸らす。
意味もなく前髪を触って、「うるさいなあ」と弱弱しい悪態。
なに、いまの。
「ノート取っといたから移しとけよ」
「あ、うん…ありがと」
夏向は優しい。
授業中寝るなんてあたしの落ち度でしかないのに、こうしてノートを見せてくれる。
たまに意地悪だけど、たまに優しくされると……やっぱり、夏向のことが好きだって思う。
でも…たぶん、恋愛感情は沸かない。



