「うんって…冷た」
凛久以外に優しくしてなんの意味があるわけ?
その凛久にすら、素直に気持ちが言えなくて
いつも遠回りな言い方しちゃうけど。
…お友達期間、四年目。
未だに凛久と話すとき緊張してるって、変?
「ねえ。……あたしはずっと、好きだよ」
「…何が?」
ぼそっとつぶやかれた言葉。
その意味に気づいてないふりして、聞き返した。
柊里は…たぶん、目を伏せて笑ってる。
昔から何度も経験した光景だから、見えてなくても目に浮かぶ。
俺の「何が?」という問いに、柊里は答えなかった。
好きとか、いいし。もう。
俺いま、凛久以外からの好意は受け付けてない。
…凛久ひとり振り向かせるのにこんな必死で、ダサいって思う?
思うよな。俺も思う。
アイツ、攻略むずいよ。
柊里だったら簡単だったのに。
「あたし、もう戻ろっかな」
「おー」
気まずくなったんだと思う。
柊里は「またね、カナくん」なんて言って教室のほうに引き返していく。
女友達以下っていったけど。
幼馴染だから未だに見捨てられない俺がいて、ダメだなあと常々思ってる。
どうでもいい女なら、「俺は好きじゃないからもう関わらないで」ってばっさり切れたのにさ。
…幼馴染なんて中途半端な立場利用してくる柊里が、ずるい。
そんな柊里の好意をも、好きな女を振り向かせるための道具に使ってる俺も、ずるい。



