「凛久って、ホントバカ」
「……はっ、はあ!? やっと口を開いたかと思えば…っ」
バカだよ、それも治りようのない、天性のやつ。
とは言ったものの。
この三年間、そして今も。
ひたすら思い続けてるだけで告白の一つも出来ないヘタレが、俺。
…この関係が崩れるくらいならって気持ちも、また事実。
ちんたらしてたら他の男に取られるぞって俺の中の悪魔が言ってる。
「人は恋してから大人になれるんだよ、凛久ちゃん」
「…恋、したことあるし」
うん。
また漣でしょ?
普通にさ。
墓穴ってやつだよね。
……あーあ。
凛久が漣を思い出すようなこと、言わなきゃよかった。
ムカつく。
俺が目の前にいるのに、なに他の男のこと考えて泣きそうになってんの。
「…どうしたら俺のこと見るの?」
切羽詰まって、つい聞いちゃった。
凛久が俺を好きになってくれるなら、なんでもする。
嘘じゃない。
「……見てるよ?」
見てねえよ。
お前の頭の中、丸見えだっての。
「冗談は顔だけにしろ」
「っ…ひ、ひどい!! これでも毎日スキンケアがんばって…っ」
うん。知ってる。
凛久の努力、全部。
俺がいちばんお前のこと見てる。
肌も綺麗だし、目はまんまるで小動物みたいだし。
メイク薄いのに超かわいいし。
…かわいすぎて、目に毒だし。
「新しい恋してみたら、変われるかもな」
だから俺を意識しろって、提案。
凛久には全く届いてないみたい。
「……そうだといいねえ」
目を伏せて悲しそうに笑う凛久。
違う。そんな顔させたくて、言ったんじゃない。



