「さあ? 見てないけど」
「……ほ、ほんと?」
なんで騙されるかな。
見たに決まってんじゃん。
「なあ、凛久」
「へ?」
「……お前、告白されたってマジ?」
凛久は、いったん思考停止したあとバサッと布団を頭までかぶった。
俺は「逃げんな」と布団をはぎとる。
「…歩夢かあ…」
当たり前。
あいつ、自分に関係ないことは隠そうとすらしないから。
「だれ?」
「……同じクラスの、宮田くん」
ミヤタ?
ああ…。
顔、ぼんやりとしか思い出せないけど。
……アイツ、凛久のこと好きだったんだ。
完全にノーマークだったな。
影薄すぎてきづかなかった。
「なんで?」
…って、凛久が俺を見あげる。
その目は、なんで告白されたことが気になるの? って目だな。
「凛久、変な男に捕まりそうだから」
「っ……な、……見る目あるもん!! たぶん…」
見る目あるって?
どの口が言うんだよ。それ。
中学のときのこと、忘れたわけじゃねえよな?
忘れてたら、今頃俺になびいてるはず。
……いつまでもあんな男のこと引きづってんなよ。
さっさと俺のこと、見て。



