六時間目がはじまるまでの時間、ずっと凛久が戻ってきてないことが気がかりだった。
結局、授業がはじまっても凛久は帰ってこなかった。
何かあった?
怪我した?
考えても仕方のないことが延々と頭の中を駆け巡り、六時間目、先生の話は全く頭に入ってこなかった。
「歩夢」
チャイムが鳴ってすぐ、凛久と一番長く一緒にいる歩夢の元へ歩み寄った。
そんなあからさまにめんどくさそうな顔するなよ。
「どーせ凛久の居場所でしょ」
「うん」
俺の気持ちは、歩夢にも麻琴にもバレてる。
未だに気づかないのは凛久だけ。
「さっき告白されてたから、授業の開始に間に合わなくてサボったとかじゃないの」
……は?
コクハク? ……って、なんだっけ。…告白?
凛久、が?
「告白って、誰に」
「しらなーい。本人に聞けば? 大方保健室とかでしょ」
知らないわけないだろ。
いいけど。……問い詰めるし。
俺はいても経ってもいられなくなって、保健室に走った。