【完】超一途な彼はお友達じゃ我慢できない。







人通りのない廊下。
五時間目と六時間目の間の休み時間は短いし、わざわざこんなところまで来る人なんかいないのかもしれない。




宮田くんと隣を歩きながら、彼が話し出すのを待ってる。
歩夢ですらいると話せない内容だったのに、これ以上先に進んで人の数が増えると余計話せないんじゃ……。






「あ、あのさ」





心配していたら、やっと宮田くんが口を開いた。

あたしは「はい」と返事をして隣で緊張している彼に視線を移す。






「……芦屋さんって、今彼氏とか……好きな人とか、いる?」



「え? ……いないよ?」






心なしか、安心しているように見える。
そんなのいないし、…いらないし。






「……俺、芦屋さんのこと好き、なんだけど」



「…へ?」







思わず足を止めた。
好きって……言った?
もしかしなくても、告白ってやつ…?