【完】超一途な彼はお友達じゃ我慢できない。








体育終わり。




バスケットボールを倉庫に戻して、歩夢と一緒に体育館の入り口へと向かう。
結局、試合には一回も参加しなかった。



先生に呆れ顔で注意されたときも、歩夢は『だって汗かいたらメイクくずれるし』って我を貫いてた。
あたしは素直に謝ったけどね。





男子軍はもういない。
号令が終わってすぐ体育館を飛び出していったのが見えたから。






「……あ、あのっ、芦屋さん!」



「……へ?」






あれ。
まだひとり、男子残ってた。



気づかなくてごめん。宮田くんだっけ。
体育館の入り口で呼び留められて、あたしも歩夢も足を止める。





宮田くんは歩夢のほうをちらちら見ている。





「……あー、ハイハイ。邪魔モノは退散しますよ」






ひらひら。
手を振って体育館を出ていく歩夢。
あたしは視線を宮田くんに戻した。





「……ちょっとだけ話、いいかな?」



「う、うん」





あたしは言われるがまま、大人しく宮田くんについていくことにした。