【完】超一途な彼はお友達じゃ我慢できない。






「…あたしって、そんなに邪魔かな」






不安が溢れすぎて、思わず聞いた。
歩夢は興味なさそうに髪の毛をいじりながら答える。






「さあ? でも知らないひとから見たらカップルに見えるっていうのは間違いじゃないんじゃない?」




「…そう、なのかな」




「そうでしょ。やたら距離近いし」






そりゃ、友達だし。
普通でしょ…?




そう言ったら、「あんなん普通じゃないから」と突き返された。
でも…中学のときからそうじゃん。
歩夢も一番近くで見てたじゃん。






「いいじゃん別に。うだうだ悩む必要ないって。カップルだと思わせときゃいいし」



「…い、いや、よくない、でしょ」




「何が。だって二人ともお互いのこと好きじゃん。他の奴らに牽制するいい機会だって」



「え? ……う、うん」





好きって、まあ……友達として、だよね?
牽制する意味も分からず適当に返事しちゃったけど。




でも…夏向に彼女ができるよりは、いいのかなあ。