「……森瀬くんと、どういう関係なの?」
察しがいいのって、悪いことなのか良いことなのか。
少なくとも、今は察したくなかった。
その質問ひとつで、中村さんは夏向のことが好きなんだな、って思った。
「いや……、そんな、みんなが想像してるような関係じゃないよ! ただの友達? 腐れ縁っていうか。中学からの仲だし!」
「……そっかあ」
「うん。だから全然! お互い恋愛感情ないしっ」
必死に答えながら、頭の中は真っ白で。
ちくちくと痛む胸に気づかないふりをした。
そうだよ。
あたしが喋ってることは間違いじゃない。
夏向はただの友達だし、それ以上になることもない。
お互い恋愛感情がないのだって、本当、だし。



