【完】超一途な彼はお友達じゃ我慢できない。






五時間目の体育は、夏向が予想してた通り体育館でバスケだった。
体育。いうほど好きじゃない。




運動神経の悪いあたしは、いつも何とかして先生に怒られないようにギリギリまでサボってる。




今日も、体育館の端で壁にもたれて座って、バスケットボールをコロコロ。
隣ではオシャレさんな歩夢が、『汗かくの嫌だから』という理由で休んでいる。





「わあーっ」





突然女子の悲鳴にも近い歓声があがって、あたしはバスケットボールから視線を上にずらした。



女子の注目を集める先には、いつも夏向がいる。
どうやら夏向がスリーポイントを決めたらしい。




普段不機嫌そうなのに、こういうとき不意に笑顔を見せるからモテちゃうんだよ。
ギャップってやつ?




夏向に恋する女の子たちの目には、たぶんすごいキラキラして映ってる。
得点を決めて嬉しそうにまこちゃんとグータッチをしてる……。