【完】超一途な彼はお友達じゃ我慢できない。







「話、終わった?」





っ……。
びっくり、した。




急に現れるよね、夏向って。
もう少し驚かない登場の仕方はないものですか。




可愛い女の子と話してきたからって、浮かれてたらダメだよ。





「もう帰ってきたし。……はあ、次体育だからちょっとしたら行くよ、凛久」



「う、うん!」






立ち上がって、パンのごみをぐしゃっと丸める歩夢。
その手のひらから放り出されたごみは、ぽーんと放物線を描いて、綺麗にゴミ箱に入った。





「ナイスシュート、アユ」





なんて言ったのは、まこちゃん。
『マコ』『アユ』。これがふたりの間での呼び方。




不思議だよね。
カップル、みたい。



……思えば、歩夢って距離の縮め方がうまいのかも。
昔からそういうところ、尊敬してた。





「今日の体育何すんだろうなーっ」



「バスケじゃね、どうせ」



「そろそろ違うことやりたいよなあ」