あたしにはきっと、ここがいちばん似合ってる。
夏向が意地悪発言連発して、
歩夢が毒舌に文句を垂れて、
まこちゃんが笑いながら見ている。
恋愛なんて必要ない。
……恋なんて、しなくていい。
だから、おねがい。
誰も、あたしから何も奪わないで。
漣のことなんて思い出さなくていい。
分かってるのに、いまだに考えてしまう。
頭からはなれてくれない。
消えて、消えて、って。
藁にも縋る思いで、何度も唱えた。
だけど……実際問題、そううまくはいかなくて。
現実に漣はいないし。
……いても、ドギマギして、会話すらままならないんだろうけど。
あの日の答えは、本人に聞くことも出来ずに、あたしの心の中を彷徨っている。
夏向は『バカだな』って笑うかな。
歩夢は『時間の無駄だし。さっさと忘れなよ』って呆れるかな。
まこちゃんは『俺らがいるからそれでよくね?』って肩を叩いてくれるかな。
……ごめん。そんなに、簡単じゃないんだ。
あたしは今でも、”あの日の夢”にとらわれ続けてる。