【完】超一途な彼はお友達じゃ我慢できない。






それ以上は喋らなかった。
だから、あたしは夏向の昔の言葉を思い出す。





「…ヒイラギは、甘い香りに油断してると、葉に生えたとげにさされる」


「…は?」


「昔、夏向が言ってた。…綾野さんって、可憐でお人形さんみたいな感じ。ずっと羨ましかった」





あたしにはないものを持ってた。
華やかな見た目もそうだし、幼馴染っていう立場も。





「……」


「…もしかしたら、夏向と幼馴染だから、それに嫉妬してたのかも」





羨ましいって、そういうこと。
夏向に告白されるまで、夏向って綾野さんのことしか見てないと思ってた。





「…そんなの。…あたしのほうが、芦屋さんに嫉妬してる」





うん。
特別なことなにもしてないのに、綾野さんから夏向を奪っちゃった。




夏向は、自分のこと『好かれる要素なんてない』ってよく言ってたけど。
あたしのセリフだよ、それ。





なんで好きになってくれたの?
前からずっと気になってること、いまだに正解は見つからない。