「…戻ってきてたんだね」
「あー、夏休み明けにな」
そんな前から…。
気づかなかった。
会話の糸口を探っていると、先に口を開いたのは漣だった。
「あのさ…今から時間ある?」
「え…」
「せっかくだし、公園とかでゆっくり話したい」
…うん。またとないチャンス。
何がチャンスなのかわかんないけど。
だからあたし、スマホを取り出してメッセージアプリの四人のグループに【結構遅れるから先三人で入ってて】と送って、漣からの誘いに頷いた。
* * *
「…ど? 元気してた?」
「うん…超元気。漣は?」
「俺は…最近、いろんなことに疲れてる」
公園のブランコ。
キー、キー、と鎖が音を立てながら、前後に軽く揺れるだけの漣。
ため息交じりに言って目を伏せた漣の横顔を、改めて見た。
「なにかあったの…?」
「いや、彼女と別れたり、父さんの転勤が決まってせっかくできた高校の友達と離れたりさ」



