突然そういわれたとき、頭が真っ白になって。
次の瞬間には、顔全体が真っ赤だった。
そのまま、漣にすべてをゆだねて、あたしのファーストキスは奪われた。
付き合って、五か月目の出来事。
あたし、漣に捧げられてよかったって思った。
他のだれかじゃなくて、漣だったから。
うれしかった、どうしようもなく。
漣にとっては、あたしがはじめてなんかじゃなかったのに。
『最近ずっとへらへらしてんね』
中学二年の歩夢にまでそういわれてしまうほど、浮かれてた。
だけど。浮かれてるの、あたしだけ。
……漣の浮気がわかったのは、それから少ししてからだった。
たまたま見ちゃったんだ。
保健室で、あたし以外の女の子とキスしてるところ。
漣がはじめての彼氏だったあたし、もう超大パニック。
慌てて歩夢の元へ走って、大号泣。
それでクラスでもちょっと騒ぎになって、あたしと漣は呼び出されて怒られたりした。



