【完】超一途な彼はお友達じゃ我慢できない。






あー。
なんかね、今学校で頑張っているであろう夏向に朗報。




あたし、夏向に会いたいかも。
体が辛いから? 理由はなんでもいい。




しばらく天井を見つめていたけど、すこし頭を動かした瞬間にぐらっと揺れた視界を閉ざすように目を閉じた。




もう無理…。
せめて、夢でくらい夏向に会わせて…。





* * *




『夏向、この子だれ?』




夏向の部屋。
飾られていた写真を指さして尋ねる、中学一年生のあたし。



…そういえば、このまえ夏向の家に行ったとき、もうなかったな。
その写真。




『あー、幼馴染。生まれたときから一緒の』


『え! すごい…超かわいいじゃん』


『かわいい? ……あー、うん、かわいい、かな』





やたら歯切れの悪い返事を疑問に思ってた。
複雑だったのかな、夏向的には。





『名前は?』


『しゅり』


『苗字も』


『あやの』





どっちも女の子の名前みたい、って最初思った。
あたし、やたら綾野さんに興味津々だったな。



そんなときの記憶、すっかり忘れてた。