夏向の家。
ちょっと久しぶり。
テレビの前でふたり、横に並んで腰を下ろして。
夏向が映画を再生した。
「…え? 夏向、これ…」
あたしが震えながら聞くと、夏向は意地悪そうに口角をあげた。
…ホ、ホラーなんて聞いてない!!
っていうか、ジャンル聞くの忘れてた。
あのときのあたし、水湊くんのことで頭いっぱいだったから…。
「大丈夫、たぶんそんなに怖くない」
「夏向の怖くないはあてにならないよ!!」
だって夏向、ホラー好きじゃん。
ホラー耐性最強じゃん。
「ま、まぁ…ゾンビものなら多少は…」
そういいながら、しっかり夏向の腕にしがみつくあたし。
でもゾンビ系ならちょっとはマシ! 本当だよ。
「…~~っ!? 」
声にならない叫び。
もうダメ…冒頭10分。息も絶え絶え。
驚かし要素はずるいよね?
夏向、1ミリもビビってないし。



