【完】超一途な彼はお友達じゃ我慢できない。







演劇がおわったあと、お手洗いにいった水湊くんを待つべく廊下でひとり立っていた。
チャイナにもだいぶ慣れたなー。
ちょっといいかも、って思えてきた。




そんなとき角から聞こえた声。





「カナくんっ、もう呼び込みなんていいじゃん!! あたしといようよ」


「…いや、午前中散々回ったじゃん」





あー…なんでこんなに遭遇しちゃうかな。
あたしね。
二人の姿をもう一度とらえた瞬間ね、いても経ってもいられなくなったよね。





「…綾野さん」


「っ…な、なに? 芦屋さん…」






夏向も不思議そうな顔で、「凛久?」と名前を呼んでくる。
お願いだから、迷惑かけないであげて。




夏向はただの友達だけど、それでも…。
嫌そうにしてるひとのこと、見過ごせない。





「夏向のこと、独占しないで。…夏向、たぶん今楽しめてないよ」


「……」


「自分が特別だと思ってるのか知らないけど、そういうの、良い迷惑…だよ」






そこまでいって、何言ってんだ…って我に返った。
ふたりの視線に耐えれなくなったあたしは、「凛久!!」という制止の声も聞かず、走って逃げる。




水湊くんのこと…おいてきちゃったな。