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すこしだけ、前の夢をみた。



もうなんども繰り返されたはずの夢。
だけど今回は、事の発端から、すべてを鮮明に映し出してくれてしまった。




……朝起きたあと、涙で目が腫れていたのは、言うまでもなく。





あれは、中学二年の春。
今みたいに、快晴の続く気分のいい春だった。





あたしと、歩夢。
夏向と、まこちゃん。




今よりももっと、二対二に分裂していたころ。




あたしには、彼氏がいた。
人生ではじめての、すべてをささげると誓った彼氏。




まあ……過去形の時点で、お察し。
あたしたちは、たった半年で別れた。





彼の名前は漣(れん)。さざなみと書いて、れん。



今となっては思い出したくもない名前。
……頭の中で反芻するだけで、心なしか頭痛を覚える。





告白したのは、あたしだった。




中一の冬から漣のことを好きで、中二にあがってクラスが同じだと分かって舞い上がった瞬間、告白していた。



あたしって、自覚したら早いタイプらしい。