「どこいきたい?」
「んー…3年生がクレープやってるんだって」
「あー、なんか見たかも。俺もまだ行ってない」
どちらからともなく手を引いて歩き出した。
甘いものだいすき。ワッフルもたべたい。
「すみませーん、いちごのクレープと…」
「俺チョコ」
「…ください!」
店員さんはうちの生徒会長だ。
いつも遠目にしか見たことなかったから、こんな至近距離は新鮮。
「はい、おまたせ」
綺麗なかたち。
上手だね。器用そうだもん、生徒会長。
「いただきまーす」
お行儀よく言ってからたべる。
あま! やわらか! おいし!
感動。
文化祭でこのレベルのクレープが作れたら申し分ないよね。
「おいしい?」
「うん! めちゃくちゃおいしい」
よかったねぇ、って子供を見るかのような視線。
…はしゃぎすぎた?
「凛久ちゃん、クリームついてる」
「…え」
気づいたときには、もう。
口の端を、指でなぞられていた。



