【完】超一途な彼はお友達じゃ我慢できない。







ゲーセンについて、凛久ちゃんはいろんなUFOキャッシャーを物色。
俺はそのうしろをついてまわりながら、”凛久ちゃんこういうの喜びそう”って考えてたのにさ。





「…これ、夏向が好きそう」





口に出ちゃってるの、気づいてない?



たぶん。っていうか絶対。
彼氏の前でそういうこと言わないほうがいいよ?




他の男だったらこの場で今すぐ別れてるくらい大罪だよ?




俺は悪魔じゃないから、そんな残酷なことしないけどね?
でも。…ちょっとだけ、最後に傷ついて泣いてくれればいいなぁとは、思うよ。




最低かな。
だけど本当に最低なのは、どっち?





「水湊くん、みて! これかわいい」


「…かわ、いい? …ぶさいくじゃない?」


「えー! ぶさかわいいって言葉しらないの…?」





泣きはらしたあとの目で見上げてくる。
あー、もう。全部かわいいんだよな。悔しいくらい。





だから、手放したくなんてないよ。



…本当はね。